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2017年から同行援護従業者養成研修を開講している「あじさい」。
その栄えある初回会場が、この「千葉市生涯学習センター」だったのです。
この会場だけでも修了生が200名以上(一般課程)になりましたが、今年度もここで三度実施します。
2022年度初めての当地での講習は、コロナ禍にも関わらず県内各地(遠くは館山市!)
から15名もの受講生を集めて開講しました。
3日間20時間をダイジェストでご紹介します。

【7月2日・・・一般課程一日目】
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☝開始前に澤瀨代表からご挨拶。

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☝15名を3名ずつ5グループに分けてコミュニケーションタイム⏱から開始。

そう、あじさいの講習では、同行援護のお仕事でも必須の「初めましての人とも話せる能力」を、講習で身につけていきます。

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☝初日の大きなテーマは「視覚障がい者を取り巻く世界の概要を知る」こと。

まずは視覚障がい者の数、障害者手帳制度、障害等級といった基礎的な部分から学んでいきます。
そしてグループで考えて、発表時には「立って名前を名乗って発表」します。
これは視覚障がい者は他人を声で判断されるので、「名前を名乗る」という当たり前のルールを身につける意味もあるのです。

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☝これは体操?ストレッチ?ではなく💦視野を測っている様子。
晴眼者の視野が両目で160度~200度あると言われるのに対し、視覚障がい者は(人にもよりますが)10度程度しかないという方もいます。
視覚障がいとは視力(目で物体を識別できる能力)の問題だけでなく、視野(目で見える範囲)の問題もあるのです。

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☝これは「視覚障がい者式ジャンケン」✊✋の様子。声で「グー!」「チョキ!」「パー!」と言ってジャンケンするのです。
たまに声と手が違う人がいるのはご愛敬♬

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☝これは「声の第一印象」をグループ内で確かめている様子。

一人がガイド(同行援護従業者)役、残りの二名が視覚障がい者役で目を閉じて、ガイド役の挨拶を聞いています。
因みに笑顔だと声のトーンが上がるので、比較的「感じの良い(明るい)声」になりますよ♪

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☝午後はあじさいを含めて、複数の事業所で同行援護を利用されている西澤かづ子様をお招きして、同行援護や家事支援の制度を使っている生活の様子等をお話頂きました。

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☝西澤様の話を聴く受講生も真剣!

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☝先天盲で盲学校に通われていた西澤様は、時には点字を読みながら講演して下さいました。

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☝趣味であるSTT(サウンドテーブルテニス)🏓のラケットを持ちながら熱弁する西澤様。


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☝その後も紙幣を識別する用具を実演して頂いたり・・・


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☝本部講師(写真右側)が送ったメールを、ご自身のスマホにデフォルト機能としてある「読み上げ機能」を使って読んでいる様子を紹介して頂いたりしました。


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☝同じ形の箱に入った調味料はどうやって区別する?

実は箱に点字シールを貼ることで、区別されているそうです。

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☝最後に受講生からの質問を受けて、約一時間の講演時間があっという間に終了。

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☝講演後は会場近くの千葉公園へ。西澤様にもご協力頂いて、ある体験を行いました。
受講生達は本部講師と西澤様の歩くスピードが速いので驚いていました(笑)

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☝千葉公園では①西澤様と歩く②単独で白杖歩行する(見守り役アリ)③人につかまって(ガイド役と利用者役で)歩くの体験を実施。

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☝白杖を使った単独歩行は、車が来ない道であっても、前になかなか足が出ませんでした。
そして自動販売機は何を売っているかが全くワカラナイ・・・
(視覚障がい者にとって自動販売機は「ロシアンルーレット」と言われます)


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☝ガイドの歩くスピードが遅いと、ご利用者様に持たれている腕を押されます!

「相手のペースに合わせられる」ことも、プロである同行援護従業者の条件なのです。

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☝講習会場に戻ってから、体験の感想共有と西澤様からエール!を頂き、初日カリキュラムが終了。


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☝オマケ・・・アイマスクを忘れると、あじさいから貸し出されるのはコレ!(笑)※他の貸出用も準備がありますのでご心配なく
とっても人目をひきます!

【7月9日・・・一般課程二日目】
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☝コロナ禍の講習なので、皆の体調管理が一番心配なのですが、受講生15名が元気に集合。
澤瀨代表も一安心して笑顔でご挨拶。

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☝朝一番で試験⁉ではなくて、前回の復習プリントを皆で解いている様子。

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☝終わったら皆で解答を照らし合わせた上で、講師から正答を説明しました。

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☝これは「情報支援と情報提供」の講義で「身体による情報提供」を学んでいる様子。
「実技において全ての基礎」と言っても過言ではない「基本姿勢」のポイントをまず確かめました。

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☝その後はグループに分かれて基本姿勢の確認。

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☝大分良い感じになってきました♬😊

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☝手の誘導方法も学びます。
ガイドが空いている方の手で利用者の手を誘導しようとすると、必然的に身体の向きが変わります。そのため、「右手(左手)を誘導する時は右手(左手)」が基本なのです。

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☝これはグループワークで「足元の状況が変わる時の情報提供」の例を考えている様子。
「三人寄れば文殊の知恵」と言いますが、まさに実践しています!

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☝「代筆・代読の基礎知識」の講義では、まずは目を閉じて名前を書く体験から。
視覚障がい者“だから”字が書けないのとは違い、決められた場所に書くのが難しいことを学びます。

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☝決められた場所に自署しなければならない時、便利なのが「サインガイド」です。
これも全員が体験。あれ?カメラ目線📸👁の受講生がいるぞ?(笑)

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☝その後は実際に代筆と代読の実戦演習を行いました。読んだり書いたりは簡単そうですが、意外にムズカシイ!(漢字力も要ります)。

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☝自分の名札に点字で名前を書いてみる体験も実施。まずは講師の説明を聴きます。

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☝皆真剣に取り組んでいます。

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☝書いた点字を触ってみます。点字の読み書きが出来る視覚障がい者にとって、点字は大切な文字なのだということを実感しました。

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☝二日目最後の一時間は実技。まずは「感じの良い挨拶」から。声の第一印象を再復習します。

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☝挨拶の後は基本姿勢へ。講師の見本を見た後は三人一組でお互い見て学び、時には指摘しながらマスターしていきます。

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上手に出来た!らしい(笑)

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☝最後は「進む・止まる」の練習。
狙った位置で「言葉と身体の情報提供」を合わせてきちんと止まれるよう、まずは一人でシミュレーションします。

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☝慣れた所でペア(ガイド役と利用者役)で練習。

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☝最初はなかなか上手くいかなかった受講生達も、繰り返し練習してピッタリ止まることが出来るようになりました。
これで二日目のカリキュラムが終了。一般課程も残すは一日です。

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☝オマケ・・・あじさいの講習では、受講生が自由に触れられる教材を沢山置いています。
触知案内図(駅、空港、ディズニーリゾート)や、視覚障がい者製品カタログ、講師が載った新聞記事📰等があります。

【7月16日・・・一般課程三日目】
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☝20時間の一般課程も、残すは今日の実技7時間のみ。
澤瀨代表と本部講師からご挨拶と、諸注意を行い研修開始です。

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☝まずはウォーミングアップで基本姿勢の取り方から。
グループに分かれて、一週間前の学びを思い出します。

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☝講師の見本➡実践が流れですが、受講生同士でお互い指摘しながら学んでいくのが、あじさいの講習。
「講師が教えたポイントをきちんと覚えているか」が問われます。勿論、合間には講師陣のアドバイスも入ります。

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☝進む・止まるもバッチリ!

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☝時には腕をつかむ、肩に手を置く以外のご利用者様も。
このように「カップル組み」のように手をガイドにまわすご利用者様もいます。
ほぼ横並び!のため、注意点を学んでいきます。

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☝お次は「曲がる」の練習。まずは本部講師のお手本を真剣に見ます。

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☝ガイドが内側にいるか、外側にいるかで曲がり方も違います。
とはいえ、曲がる時には「ご利用者様の足元への意識」が欠かせません。

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☝これは“わざと”脇をあけたり、つかまれている腕を振って歩いている様子。
「どうされたら怖い(or安心)」を、身をもって体験しました。

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☝実技はどんどん進みます。
これは「狭路通過」の体勢を取っている場面。

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体勢を学んだ後は実践へ。
本部講師のお手本から「位置取り=ご利用者様を狭路の中央へ誘導する」と、「通過時の目線」を学びます。

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☝「絶対にご利用者様をぶつけない!」という意識が大事な狭路通過。
その意識があれば、自ずと見るべき場所は決まるのです。

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☝実技の前半の山場である階段は、会場のご協力もあり、館内の共用部を使わせて頂いています。
こうした案内文までご準備頂き感謝です!

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☝まずは一人で歩いてポイントを確認!
①階段ギリギリで止まる②上り・下りを説明(勿論、接近前にも)③ガイドは外側の足をかけて準備④ご利用者様の一段先を進む&ご利用者のペースに合わせる⑤最後はちょっと広めに足を出す⑥終わりをタイミング良く伝えるとともに、しっかり止まる(言葉と身体の情報提供)と盛り沢山!です。

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☝あとは繰り返し練習あるのみ。
ペアを組んで上り階段から練習しました。

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☝下り階段も練習して、いよいよランチタイムへ。
しかし・・・

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☝食事支援(食事時の情報提供)の演習が残っていました💦
持ってきたお弁当🍱を、ガイド役に説明してもらいます。パッケージの開封もご自身で出来る方が多いです。
手を出したい気持ちをぐっと我慢します。見守り、必要に応じてまずは言葉でサポートします。

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☝「どこに何があるか(配置されているか)」を、視覚障がい者が頭で描けるように説明します。
食べられない物~バランや串や小分けのカップ~は忘れずにお伝えします。
ただし、食べている時の実況中継は✖🙅

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☝昼食休憩後は「またぐ」の実技へ。ここもまた「ご利用者様の足元への意識」が大切です。
これは電車の乗降時等に活かせます。

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☝いよいよ外歩き演習へ。実際に同行援護の現場で車に跳ねられて亡くなった方もいます。
ご利用者の安全・安心を守りながら、加えて会話もしながら歩くのが同行援護従業者のお仕事。
受講生達も真剣に諸注意を聴いています。

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☝左は信号のない交差点(十字路)で車が来た場合、右は狭い道で後方から車が来た場合のシミュレーション。
どんな場面においても慌てずに、時にはハンドサイン✋を出して譲ったり、先に行ったり「合図する」ことも有効です。

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☝生憎の小雨☂が降る中、外歩き演習がスタート!

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☝傘も二人で入るように工夫しながら、前方も左右も足元も意識して歩く・・・
雨の時には細心の注意を払わなければなりなせん。

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☝どうにか最初の役割交替地点である公園に到着。
やっと着いた!と気は抜けず😨入口にはちょっとした上り段差や、足元の状況が変わる(コンクリート➡土)があります。
ここできちんと「言葉での情報提供」が出来るかどうか。それが同行援護従業者のお仕事の肝なのです。


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☝公園で反省会(ご利用者様役がガイド役を評価)後、役割交替してJR千葉駅へ向かいます。

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☝狭い路地や十字路などを歩きながら、だんだん慣れていきます。
外歩きこそ、学んだことの集大成。これをやらずに修了証付与はあり得ないし、現場には絶対に出せません。

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☝JR千葉駅のコンコースへ続く階段を上ります。
一般の方も通る場所=外で、学んだことがきちんと出来て、初めて「出来た」になるし、自信にも繋がります。

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☝JR千葉駅地下にあるエスカレーターを使って、エスカレーターの乗降演習へ。
まず講師の説明を聴きます。
因みに「エスカレーターが怖い」と思うご利用者様
は、エスカレーターは使いません。
つまり「エスカレーターを選ぶ=エスカレーターに問題なく乗れる」ということなのです。
この観点は大切。

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☝説明を聴いた後は練習へ。一番ポピュラー(簡単)な「並んで乗り降りする方法を学びました。

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☝勿論、上りだけではなく、下りも練習。

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☝エスカレーター演習終了後は、途中で役割交替して会場へ戻ります。
ガイド役にも大分慣れて、堂々と歩ける受講生が増えました👍

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☝無事に会場へ帰還。澤瀨代表からアドバイスを受ける受講生達。

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☝さすがに外歩き演習は受講生も気を張るため疲れます。
ですが、こんなに元気な受講生も!😀

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☝休憩後は椅子への誘導方法の演習。
前から誘導するのが望ましいですが、それが出来ない場合は横からや後からもあります。
いずれにせよ、「椅子の座面の一辺」へご利用者様を正対(位置取り)し、手を背もたれと座面へ誘導して触って頂くこと。
そのことで椅子の向きがわかります。勿論、手の誘導は「下から添える=鷲掴み厳禁!」を心掛けます。

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☝壁際にある椅子、並んでいる椅子等、様々な場面を想定して練習しました。

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☝ドアの通過の実技は、ドアやドア枠に触ってもらうことでも安全に通過出来ます。

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☝開けたドアをご利用者様から離れずに閉める練習も。
実にスマートですね!😊

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☝最後にトイレ🚻の誘導方法へ。
これは椅子を小便器に見立てて誘導しています。

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☝用を足して、「手を洗う」と言われたら?
基本姿勢に戻るのは、お互いちょっと憚られますよね💦

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☝そんな時は、手首を支えて誘導すればOK🆗
個室から🚽出た時も同じですね。
因みに小便器も個室も、ご利用者様が用を足している時には、ガイドは近くにいないこと!
(近くにいたら出るものも出ません)
手洗い所付近で待つのがベターです。

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☝いよいよ修了式へ。あじさいの運営するグループホーム「イーハトーブ」でも働く受講生代表のMさんに修了証を授与。

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☝最後は澤瀨代表とポーズ!これで日本全国の同行援護事業所で働ける資格をゲットです!🙌

あじさいでは千葉市(千葉市生涯学習センター)で年に三回のペースで研修を開催中です。
現在、11月開講分を募集中。詳細は☟をご覧下さい。
http://narashino-ajisai.com/free/chiba

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2024.03.29 Friday